相続手続きの書類は多い。だからチェックリストで管理する
相続手続きでは数十種類の書類が必要になる。手続きごとに異なる書類を要求されるため、「何が」「どこで」「いくらで」取れるのかを一覧で把握しておくことが重要。
全手続き共通で必要な書類
ほぼ全ての手続きで求められる「基本セット」がある。最初にまとめて取得しておくと効率的。
| 書類 | 取得先 | 費用 | 必要部数の目安 |
|---|---|---|---|
| 故人の戸籍謄本(出生〜死亡まで) | 本籍地の市区町村 | 1通450〜750円 | 3〜5通 |
| 故人の住民票の除票 | 最後の住所地の市区町村 | 1通300円 | 2〜3通 |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 各自の本籍地 | 1通450円 | 2〜3通 |
| 相続人全員の印鑑証明書 | 各自の住所地の市区町村 | 1通300円 | 3〜5通 |
| 相続人全員の住民票 | 各自の住所地 | 1通300円 | 2〜3通 |
戸籍謄本の注意点: 故人の「出生から死亡まで」の連続した戸籍が必要。本籍地が転籍で変わっている場合、複数の市区町村から取り寄せることになる。郵送対応可能。
手続き別の必要書類
銀行口座の解約・名義変更
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 故人の戸籍謄本(出生〜死亡) | 連続したもの |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 現在のもの |
| 相続人全員の印鑑証明書 | 発行から6ヶ月以内 |
| 遺産分割協議書 | 相続人全員の署名・実印 |
| 通帳・キャッシュカード | 紛失時は再発行不要(届出で対応) |
| 相続届(銀行所定の用紙) | 銀行窓口で受け取る |
銀行口座は死亡が判明した時点で凍結される。凍結解除には上記書類の提出が必要。
不動産の相続登記
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 故人の戸籍謄本(出生〜死亡) | 連続したもの |
| 故人の住民票の除票 | 登記簿上の住所と一致させるため |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 現在のもの |
| 相続人全員の住民票 | 新しい所有者の住所確認 |
| 遺産分割協議書 | 法定相続分以外で分ける場合 |
| 固定資産評価証明書 | 市区町村で取得。登録免許税の計算に使用 |
| 登記申請書 | 法務局のHPからダウンロード可 |
2024年4月から相続登記が義務化。 取得を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料が科される。
相続税の申告
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 相続税申告書 | 税務署で入手 or 国税庁HPからダウンロード |
| 故人の戸籍謄本(出生〜死亡) | コピー可 |
| 遺産分割協議書のコピー | 原本ではなくコピーでOK |
| 預金残高証明書 | 各銀行で取得。死亡日時点の残高 |
| 不動産の登記簿謄本 | 法務局で取得。1通600円 |
| 固定資産評価証明書 | 市区町村で取得 |
| 路線価図・評価明細書 | 国税庁HPで確認 |
| 生命保険金の支払通知書 | 保険会社から届く |
| 借金の残高証明書(あれば) | 金融機関で取得 |
書類取得にかかる費用の目安
| 書類 | 単価 | 5通取得時 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本 | 450円 | 2,250円 |
| 除籍謄本・改製原戸籍 | 750円 | 3,750円 |
| 住民票 | 300円 | 1,500円 |
| 印鑑証明書 | 300円 | 1,500円 |
| 固定資産評価証明書 | 300〜400円 | 1,500〜2,000円 |
| 登記簿謄本 | 600円 | 3,000円 |
合計すると1万〜2万円程度。手続き先ごとに原本を要求されるため、多めに取得しておくのが無難。
法定相続情報証明制度を活用する
2017年から始まった「法定相続情報証明制度」を使えば、戸籍謄本の束を1枚の証明書に置き換えられる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行元 | 法務局 |
| 費用 | 無料(何枚でも) |
| 有効期限 | 5年間 |
| 使える手続き | 銀行・不動産登記・相続税申告 |
戸籍謄本を何セットも取る代わりに、法定相続情報一覧図を使えば費用も手間も大幅に減る。最初に法務局で手続きしておくのがおすすめ。
書類収集で陥りがちなミス
| ミス | 対策 |
|---|---|
| 戸籍が連続していない | 転籍があると前の本籍地の除籍も必要。市区町村に確認 |
| 印鑑証明の期限切れ | 発行から6ヶ月以内が条件の手続きが多い。期限管理する |
| 相続人の漏れ | 故人の戸籍を出生まで遡って、認知した子や養子がいないか確認 |
| 原本を返してもらえない | 「原本還付」を請求すれば返してもらえる手続きが多い |
まとめ
相続手続きの書類は種類が多いが、「基本セット(戸籍・印鑑証明・住民票)」をまとめて取得し、法定相続情報証明制度を活用すれば効率的に進められる。書類の不備で手続きが止まるのが最も時間のムダ。チェックリストで漏れを防ぎ、不安があれば早めに税理士や司法書士に相談するのが確実。